流鏑馬の行事だけを見ると、とても華やかで稽古も実際の馬に乗って行っていると想像しておられる方が多くいらっしゃるようです。しかし、実際には馬に乗って稽古することはほとんどありません。
稽古の中心は、馬上での姿勢を習得するための騎射体操(きしゃたいそう)と木馬に乗り型を習得することです。さらに、射法の習得も重要になります。
騎射体操や木馬による稽古で十分でない部分を実際の馬に乗って稽古(生馬稽古)をします。生馬稽古は年に数回しか行いません。生馬稽古を多く行えば、的中は良くなりますが、型や射法が崩れやすく当てるだけの騎射になってしまい、鎌倉時代より伝わってきている型の継承に支障が出るためです。正射必中という言葉が示すように、騎射体操や木馬の稽古をしっかり行うことが肝要なのです。