陰陽道とは、平安時代からわが国でのあらゆる自然現象と学問の基となった思想です。森羅万象・宇宙全ては、陰と陽・光と影・プラスとマイナス等の相反する二つの気のバランスと循環によって成り立っているという考え方です。

鎌倉時代の武士たちは陰陽道を思想に取り入れていました。当流の祖である小笠原長清は当時の武士であり、そのため小笠原教場の礼法・歩射・騎射は、全てが陰陽道を軸に成り立っています。

当流免許弓の模様、歩射行事における設営法など、陰陽道の方位・数学に基づいています。また、流鏑馬神事における馬上での射手が発する「陰陽」という矢声は宇宙、ひいては神そのものと呼応しあうためと考えられています。